受難週に―十字架で死ぬことを目的となさったご生涯を想う

喜びに支えられて山を登る人生

2016年10月に逝去されました、登山家の田部井淳子さん。

世界で初めて女性でエベレスト登頂に成功された方です。

実は、私、田部井さんと近所というほどではないですが、同じ市内に住んでまして、小学生の頃は、同じピアノ教室に通っていました。

私の記憶が正しければ、発表会で、ショパンの「雨だれ」を弾いておられたと思います。

田部井さんはエベレスト登頂に成功した地域の有名人でしたので、私が通う小学校でも講演会が開かれて、お話に来てくださいました。

目標を目指して一歩一歩進めば必ず山頂にたどり着く―

この当たり前な言葉も、エベレストに登った人に言われると説得力があります。

目標を目指して進むというのは、いいことですね。恐らくこれを否定する人は誰もいないでしょう。

そして、高い山の頂きに登り詰めた時の感動はいかほどでしょうか。

その喜びに支えられるようにして、田部井さんをはじめ多くの登山家の方が山を登り続けて来たのだと思います。

私たちの人生もこれに似たところがあるでしょう。

皆さん、それぞれの山に登って行きます。それぞれの目標を目指して登って行きます。喜びに支えられて。

十字架で死ぬことを目的とされたご生涯

けれども、主イエスのご生涯だけは、違っています。

十字架で死ぬということを、ご生涯の目的とされたのです。

すべて命あるものは、最後には死を迎えますが、単にその生涯の終わりに死を迎えたというのではなく、死ぬことを目指して、地上の生涯を過ごされたのです。

何か殺人とか犯罪をおかして、処罰されることを意図したというのでもありません。

そんな悪徳な生き方なら、世界中から神として崇められたり、高尚な生き方と言われたりする由もないでしょう。

何も悪いことをせずに、処刑されることを目的とした生涯。

ここにも、人知を遥かに超えた神のご計画を伺い知ることができます。

救い主イエス・キリストの生涯は、人間が頂上を目指して上っていくというようなものではなく、むしろ真逆で、下にくだって行く、深みを目指すご生涯でした。

このような主イエスのご生涯には何の喜びも感じられないに違いありません。

そう思うと、胸が痛みます。まさしく、受難のご生涯でした。

しかし、喜びと無縁ではないのです。これも、意外なことですが。

主イエスがお生れになる500年前に、この救い主を指差して語ったイザヤという預言者は、こういっています。(4月9日に,ご紹介した同じ聖書の言葉です)

彼は、自分のいのちの激しい苦しみのあとを見て、満足する。

わたしの正しいしもべは、その知識によって多くの人を義とし、彼らの咎を彼がになう。

(イザヤ書53章11節)

彼とは、主イエスのことです。

ご自分のいのちの激しい苦しみのあとを見て、満足する―と。

人間なら満足できやしません。

自分の生きる権利が少しでも侵されたと思うなら直ぐに怒ります。

すぐに、自分の権利を求めて、相手に訴えるでしょう。

また、そこまでする勇気がなければ黙っていますが、傷つけられたことを不快に思い、時には恨みに思うことでしょう。

喜ぶことなどは決してありません。

でも、主イエスだけは、自分の命を奪われても決して怒らず、激しい苦しみのあとをみて、むしろ満足されるのです。

ほかでもない、私たち人間が癒され、義と認められるためです。

日々私たちの重荷を荷われる主!

聖書の中には、すばらしい言葉がたくさんあります。

慰められる言葉、癒される言葉、勇気付けられる言葉、高い志が与えられる言葉、人間の腐敗を指摘する言葉、憧れを与える言葉、知恵を頂く言葉・・・まだまだたくさん・・・

人生が重く、行く道が険しいと感じられるような時、私がいつも慰めにしている言葉があります。

信仰者の友人が送ってくれた絵葉書に書いてあった聖書の言葉です。

 ほむべきかな、日々、私たちのために、重荷を荷われる主。

私たちの救いであられる神。(詩篇68篇19節)

この言葉を聴いて、すぐ疑問に思うことは、

神が、今、私たちの「日々の」重荷を荷われるだろうか?―

ということではないでしょうか。

遠い昔に異国の地におられた方が、私の重荷を荷うことができるだろうか、と。

しかし、この受難週に、きわめて特殊な生涯―十字架への道を―を進まれた主イエスのお姿を思い起こす時に、この疑いは晴れます。

「日々、私たちのために重荷を荷うこと」を実現させるためこそ、

人生の重荷に苦しむ私たちの救い主となるためにこそ、

主イエスは十字架での死という目標に向かって、まったく特殊なご生涯を一歩一歩進まれたのだ、と気付くのです。

ほむべきかな、主の十字架!

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